見えないダメージを、無視することはできない
個人差があると思いますが、交通事故のせいで目に見えないダメージを受けてしまうことがあります。
見ればすぐわかるケガ、車の損傷、それらがなくなれば「ひとまず事故のことは落ち着いたんじゃないか」と思われがちですが、それだけではありません。
今回は一見するとわかりにくい被害についてもお伝えしたいと思います。
車の運転が怖い
私の話になってしまいますが、車を運転するのが怖くなってしまいました。あくまで自分は被害者だったのに、今度はじぶんが加害者になってしまうんじゃないかと思ってしまったのです。
実をいうと、数名の交通事故被害者の方とお話したことがあるのですが、やはり同じような経験をされた方が、何名からっしゃいました。
中には
「車の運転が出来なくなったので、車がなくても生活できる場所に引っ越した」
という人までいらっしゃったのです。
もちろん、事故にあったからすぐさまそうなるわけではありませんが、事故から時間が経っても苦しい思いをし、目に見えないダメージを受けている人がいらっしゃることは、まぎれもない事実です。
仮に引っ越さなくてはいけない場合、引っ越し代等が保険から出る確率は少ないので、経済的にも苦しくなる可能性があります。
体力の低下
「交通事故の後、体力が落ちた…」
という話を聞いたことはありませんか?
事故の後、痛み、しびれが残ってしまうケースも少なくありません。中には「後遺障害」を認められて、保険でそれなりの金額の見舞金が支払われることもありますが、失われた体力を元に戻すのは難しく、膨大な時間がかかります。
また、痛みやしびれが残っていない場合でも「明らかに前より体力が落ちた」という人も少なくありません。
出来ることが少なくなってしまい、今までしていたことをセーブしなくてはいけません。
まわりから見てわからないだけでなく、自分でも「体力が落ちた」と認識するまで時間がかかってしまったので、仕事の計画を立てる時には特に慎重に考えなくてはいけなくなりました。
金銭面での負担
先ほど少し触れましたが、痛みやしびれが残っている場合には、継続して病院に通院する必要があるでしょう。
病院だけではなく、整骨院やカイロプラクティックなどでの施術を受ける人もいると思いますので、事故の前に比べて出費が増えることになります。
仮に健康保険が使えたとしても、お金が余分にかかることに変わりはありません。
悲しいことですが、交通事故のせいで仕事を休職したり、場合によっては退職を余儀なくされる方もいらっしゃいます。
通院費用がかかるだけでなく、収入が減ってしまうわけですから、経済的にはさらに大変なことになります。
自分が出来ること
こんな話を書くのには理由があります。
交通事故に遭ってしまっても、事故の処理が済んだら元の生活に戻れると思っている人が多いからです。
中にはそういう人もいらっしゃいますが、そうでない人もいることを知ってもらいたかったのです。
事故に遭った本人は
「どうしてこんな体になったんだろう」
と思わぬダメージに困惑してしまいます。
気持ちはわかりますが、自分の予想より大きな被害を受けたことを、まずは受け止めてください。
そして、自分に必要な調整はなにか、よく考える必要があります。
まわりが出来ること
仕事上の関係者であれば
「早く治して復帰してほしい」
と思うのは当たり前ですが、ケガは治っても以前ほど仕事量がこなせない可能性もあるのです。
「事故は気の毒だけど、いつになったら元通りに戻るの?」
とイライラするよりも
「目に見えないダメージに苦しむ人も多い」
ということを理解しているほうが、どれだけ良いでしょうか?
状況にもよりますが、まわりのサポートがあるかないかで、その後の回復にも影響が出てくるでしょう。
今日はここまで。
梅雨シーズン到来です。
雨で視界が見にくい時こそ、運転は慎重に。