交通事故で謝ってはいけないと言われる理由

交通事故の当事者になった時、「不利になるから謝ってはいけない」という話を聞いたことはありませんか?これは本当の話なのでしょうか?

事故の内容によっては「どちらにも過失がある」という場合が少なくありません。そういった場合、ウッカリ謝ってしまうとこちらが悪いことにされてしまうというのは、ない話ではありません。

今回は、謝ってはいけないと言われる理由と、実際の事故時にはどのように対応するのがベストか、考えてみたいと思います。

「反省していない」と思われるリスク

事故の状況によっては、微妙な場合もあるでしょう。例えば自分の側にも多少の落ち度があるけれど、相手が突っ込んできてぶつかってしまったような場合などです。

このように微妙な場合はともかくとして、明らかに自分の側に非がある場合には「すみません」と一言言わなかったばかりに「全く反省のない加害者」とされてしまう場合もあります。

被害者側としては「反省のない加害者」を民事上の裁判に訴えることも可能ですから、最初に謝罪をしなかったせいで訴えられてしまう可能性も高くなります。

さらに交通事故の内容によっては刑事裁判にまで発展する場合もありますので、そういった場合に「反省がない」加害者は明らかに不利になります。

スムーズに解決するためにも、自分に非がある場合には謝りましょう。

まずい謝り方はこれ

一方で、してはいけない謝り方もあります。

「今回の事故はすべて自分の責任です。損害賠償はすべて償います。」という謝り方は絶対にやめましょう。なぜなら、警察による現場検証等が行われていないのであれば、誰がどれだけ悪いのかはっきりしないからです。

中には事故の直後、一筆書いてくれと言われる場合もあります。そのような場合には

書くことはせずに、まずは警察に届けましょう。

「保険会社を通じて、誠意ある対応をさせていただく」と伝えることはできますが、「すべて自分が悪いので責任を取る」と言った発言や謝り方は危険です。

 人として誠意ある対応は必要

「謝ってはいけない」という言葉の真意は、その場でお金のことを決めたり「自分に全責任がある」というような発言をしないということです。

さらに一筆書いてと言われても、念書を書くことも避けましょう。 

事故は制後すぐに警察へ110番通報し、現場を確認して証拠保全をすれば、謝ったこと が不利になることは考えにくいと言えるでしょう。

むしろ「誠意のある対応をしてもらったか」という点では、気持ちの問題が大きく作用しますので、人に迷惑をかけたことについては謝る必要があるのは明らかです。