バイク事故によって負傷したり、亡くなってしまったりした場合には、被害者本人や遺族は慰謝料を請求することができるということをご存じの方は多いでしょう。
それでは、バイク事故の慰謝料の相場はどのように決まっているのでしょうか。
今回は4記事に分けて、慰謝料の種類と3つの算定基準及びその相場について詳細に解説していきます。
バイク事故の慰謝料は3種類
まず、バイクで交通事故に遭った場合、被害者が加害者に請求することができる損害賠償金のうち「慰謝料」について解説していきましょう。
示談金とは慰謝料とイコールだと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、そのような理解は不正確です。
示談金とは、被害者が加害者から受け取ることができる損害賠償金の全部を指します。
一方、慰謝料とは被害者が受け取ることができる損害賠償金の一部にしかすぎません。
では示談金の内訳とはどのようになっているのでしょうか。
ここで簡単に解説しておきます。
バイク事故によって被害者が支払わなければならなかった出費のことを、「積極損害」と言います。
積極損害には、具体的には入院費や通院費、病院までの交通費や破損した自動車の修理費等が含まれます。
バイク事故に遭ったことによって、本来であれば得られたはずなのに被害者が得られなくなった利益のことを「消極損害」と言います。
この消極損害には、具体的にバイク事故によって仕事を休まざるを得なくなり、得られなくなった収入のことをさす休業損害が含まれます。
また、後遺障害を負うと、労働能力が喪失または低下しますので、将来にわたって得られるはずが得られなくなった収入をさす逸失利益も消極損害に含まれます。
それではここでは、「慰謝料」について詳しく解説していきます。
まず、慰謝料とは、交通事故が原因で被害者が負った精神的または肉体的な苦痛に対して、それを慰謝するために支払われる損害賠償金のことをいいます。
バイクの交通事故で被害者に発生する慰謝料には、様々な種類があります。
バイクの交通事故で被害者が請求できる可能性が高い慰謝料は、次に説明する3種類です。
- (1)入通院慰謝料
- (2)後遺障害慰謝料
- (3)死亡慰謝料
では、この3種類の慰謝料について詳しく解説していきます。
基本的にバイク事故の慰謝料については、自動車事故の慰謝料の考え方と共通しています。
(1)入通院慰謝料とは
(1)入通院慰謝料とは、事故によって怪我をして、入院または通院により治療することを余儀なくされたことで生じる精神的または肉体的な苦痛に対して、これを賠償するために支払われる慰謝料のことをいいます。
交通事故によって、入院または通院する必要が生じた場合には、基本的には入通院に対して損害が生じていると考えられます。
入通院の回数や時間の長さに応じて入通院慰謝料は計算されます。
入院・通院の時間が長いほど、または回数が多くなれば多くなるほど、入通院慰謝料の金額は大きくなります。
(2)後遺障害慰謝料とは
後遺障害慰謝料とはどのようなものなのでしょうか。
後遺障害慰謝料とは,後遺障害を負ったことに対する精神的損害を慰謝するために支払われる金銭です。
後遺障害の意味とは,事故で怪我を負って治療を続けてきたが,これ以上改善する余地がないと診断された状態をさします。
後遺障害は,症状によっては非常に重篤で,被害者の今後の人生の生き方を決定的に変えてしますことも多いです。
したがって、将来のそのような被害者の負担についても考慮したうえで、慰謝料金額が決定されていると言えるでしょう。
そのような観点から後遺障害慰謝料は他の慰謝料と比べても金額が高くなることが一般的です。
(3)死亡慰謝料とは
死亡慰謝料とは、被害者がバイクの交通事故で死亡した場合に死亡させられたことに対する精神的または肉体的な苦痛に対する損害賠償金のことを言います。
実際には、被害者の遺族が加害者に対して請求することになります。
遺族は被害者自身の死亡慰謝料とは独立した遺族固有の慰謝料を請求することができます。
これは遺族自身にも被害者を亡くしたことに対する精神的苦痛が生じていることから当然だと言えます。
バイクの交通事故で慰謝料が請求できるのは、基本的に被害者が事故によって受傷して、人身事故として扱われた場合になります。
なぜなら、バイクや自動車その他の物品が壊れたり故障したりしただけの物損事故では、慰謝料は発生しません。
よって、短期間であっても病院に通院した期間がある場合であれば、慰謝料の請求ができるようになるでしょう。
まとめ
「バイク事故と慰謝料相場」シリーズの1つめは、慰謝料の種類について解説をしました。
次回は交通事故慰謝料の3つの基準にフォーカスした記事を公開予定です。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。