年の改まった今こそ考えよう!高齢者の運転と交通事故

2021年は事故の少ない年でありますように

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2019年4月、池袋駅前で高齢者の運転する自動車が暴走して2名が死亡、9名が重軽傷を負う交通事故が起きてしまいました。2020年10月、この事故に関する公判が行われたので、覚えておられる方も多いと思います。

「足元のおぼつかない高齢者が運転をしてはいけない」「一定の年齢になったら、運転免許を返納させた方がいい」という意見も多く聞かれるようになりました。

安全に運転が出来ないのであれば、車のハンドルを握るべきではないと思っていますが、交通事故を絶対に起こさないと言いきれる人が果たしているでしょうか?さらに住んでいる地域によっては、電車やバスがないので「車がないとどこにも行かれない」という話も珍しくありません。家族に送り迎えしてもらおうにも、1人で暮らしておられる方や、高齢者だけの世帯もあります。高齢者の中には「そろそろ車の運転はやめよう」と、運転免許を返納する人が増えていますが、そういった方が今度は自転車を使うといったケースもあるので、「こうすれば絶対に事故は起きない」という方法はないでしょう。その中でも一人一人が出来ることについて、行政書士としてお話ししていきたいと思います。

 

高齢の方ご自身が出来ること

自分の身体機能を正しく自覚する

「◯歳なんてまだまだ若いでしょ」こんな話を時々耳にします。確かに嘘ではありませんが、車の運転に関しても、そう言いきれるのでしょうか?

「視力が弱ってきた」

「危険に気がついてから、ブレーキを踏むのに時間がかかるような気がする」

自分の体について、以前とは違う、少し弱くなったみたいだ、と思ったらより一層の注意を払うようにしましょう。

そして「自分は大丈夫」と思っていても、まわりの人から指摘された場合にも、受け止めるようにしてください。「そんなことはない」と否定しないでください。高齢の方に限った話ではありませんが、車を運転している時には意識してまわりの状況に目を配るようにしましょう。

 

・自分にあった車やメガネを選ぶ

前後左右の視界が良い、メーター類が見やすい、狭い場所での取り回しがしやすい等、ご自身にとって運転しやすい車を選ぶようにしてください。これに関しては個人差があるはずなので、車を購入する前に一度試乗して見ることをお勧めします。

またメガネが合っていなければ、どんなに良い車に乗っていても安全な運転は出来ません。最近メガネがあっていないと感じたら、医師の診察を受けてメガネを作り直す必要があるかもしれません。今は医師の処方箋がなくてもメガネが作れるお店もありますが、どちらの場合にも「車を運転する」ことをきちんと伝えましょう。

 

・急発進防止装置や、補助ミラーをつける

車の事故の中でも、急発進による事故は比較的大きな割合をしめています。最近では、安全に運転するための、急発進防止装置も発売されていますし、より視界がきちんと見える補助ミラーもたくさんの種類が売られています。それらを活用することも検討してみましょう。お店に買いに行く際には、自分で決めるよりもスタッフの方からよく話を聞くことをおすすめします。可能であればご家族の意見も聞いて、ご自分にあったものを選ぶようにしてください。

 

・免許返納のことも考える

車がないと暮らせない地域がある一方で、高齢者にはバスやタクシーの割引がある地域も少なくありません。免許返納者に対して、タクシー券を配布する地域もあります。お住まいの地域ではどのようなサービスが受けられるのか、調べてみるのはいかがでしょうか?お近くの警察署でも、教えてもらえると思います。

その上で「車がなくてもバスでかなり移動が出来る」「タクシーをかなり安く利用できる」ということがわかれば、免許を返納することも選択肢の一つかもしれません。

 

2021年が始まった今だからこそ、みんなで事故防止を考えよう!

私たちはみな、交通事故の加害者、被害者、どちらにもなりたくありません。年末年始は車で出かける機会が増える方も多いことでしょう。今回は高齢者の交通事故を防ぐ方法を考えましたが、ぜひこの機会に高齢者だけでなく皆の交通安全について考えてみたいものです。本日もお読みいただきありがとうございました。