子どもたちと自転車事故
駅から自宅まで歩道を歩いていたところ、後ろから猛スピードで自転車が走ってきて、とても驚きました。小学校高学年の男の子が運転していたのですが、もしもう少しでぶつかりそうだったので、もし事故になってしまったら…と思うとゾッとします。
高齢者と子どもは特に要注意な理由
さて自転車事故の死傷者の中で、高齢者と子どもの占める割合が多いことはご存じでしたか?少し前の数字になりますが平成27年の統計では、自転車乗車中の死傷者のうち未成年の子どもが占める割合は30.5%でした。
内訳をみると14歳以下が12.5%、15〜19歳が18%で、通学や塾通いのために自転車を利用する子どもたちが事故に巻き込まれていることがわかります。
被害者となるのはもちろん困りますが、もし加害者となってしまったら、子どものやったことであっても、高額の賠償が求められるケースもあるのです。今回は子どもの自転車事故の原因と、防ぐ方法について、お話ししていきたいと思います。
平成31年に警視庁交通局が出したデータでは、平成26年〜30年の年齢層別の事故件数で、全体の36%は「10〜19歳の子どもたち」で加害者となっており、自転車事故の3回に1回以上は、「未成年の子どもたちが加害者になっている」と言えるでしょう。
子どもの自転車事故の原因
①安全確認不足や一時停止の怠りによる出会い頭の事故
見通しの悪い交差点や、信号機のない交差点の場合、特に注意が必要です。相手に気がついてブレーキをかけても間に合わない可能性が高く、事故につながってしまいます。
②右左折時の衝突
自転車の場合、二段階右折が義務付けられていますが、守らずに斜めに交差点を横切ったりすれば、当然に事故につながります。
また自動車の脇をすり抜けて左折しようとして、自動車の死角に入ってしまったために事故につながることも少なくありません。
子どもの自転車事故を防ぐ方法
・子どもの体に合った自転車を選び、サドルやハンドルも調整しましょう。体に合わない自転車に乗っていると、運転が窮屈だったり、足がつかなかったりと、支障が出てしまいます。
・自転車に乗る際の基本ルールを親子で話し合い、繰り返し教えるようにしましょう。信号や止まれの標識を守る事、左右の安全確認をすること、暗くなったらライトをつけること、二人乗りをしないことなど、自転車に乗る時にルールを確認しあい、必ず守るようにしましょう。
・親子で一緒に普段利用する道路の安全を確認しておきましょう。特によく使う場所に関して「ここは曲がってくる車が多いから、特に気をつけよう」「カーブミラーを見よう」と、親子で実際に見て確認しましょう。
・自転車に乗る時は、ヘルメットをかぶるようにしましょう。自転車同士の事故だったとしても、頭を打ってしまうと重症になることがあります。ヘルメットは頭の大きさに合った物を選びましょう。
「自転車は危ないから乗らせない」というのは、あまり現実的ではないと思いますので、親子で「安全に自転車を運転すること」について繰り返し確認した上で、未然に事故のリスクを防ぐようにしたいものですね。
保険を掛けることも忘れないで
もちろん万が一の事態に備えて子どもさんの利用する自転車にも、きちんと保険をかけておくことをお勧めします。2008年9月、小学生が乗った自転車にはねられた67歳の女性が植物状態になるという、悲しい事故が起きてしまい、加害者の母親には9500万円の賠償命令が下されました。金額が大きいので、覚えておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?金額の大きさもそうですが、加害者となってしまった子どもさんも大いにショックを受けているのではないかと思います。
被害者、加害者、どちらにもならないように
自転車は便利で比較的安全な乗り物と言われていますが、大きな事故につながる可能性も無視することは出来ません。この機会に「子どもが加害者にも被害者にもならないためにはどうするか」考えてみましょう。本日もお読みいただき、ありがとうございました。