交通事故は当事者だけでなく、大勢の関係者を巻き込みます
新型コロナウイルス感染症による外出制限が緩和され、少しずつ行動範囲が広がってきましたね。油断することは出来ませんが、外に出かけられることのありがたさを感じる毎日です。
さて今回、外出を控える中で気がついたことがあります。
「外出できない不便」
「行動が制限されることのストレス」
これらは、交通事故の後にも起きるていることです。
身近な人が交通事故の被害に遭った場合、まわりの人がどれだけのサポートが出来るでしょうか?
今回はそんな視点からお話ししたいと思います。
仕事上の関係者が交通事故に遭った時
仕事上の関係がある人が交通事故に遭ったのであれば、状況によっては他の人に仕事を代わってもらう必要が出てくるはずです。
あなたにとっての同僚や部下であって、あなたの権限で「代わりにやります」「みんなで手分けします」と言えることであり、なおかつ実行可能なことであればそれで良いでしょう。
そして交通事故のあった本人も、体調を直してから仕事に復帰するのでなければ本来の力が発揮できませんので
「こちらのことは心配せず、しっかり治すように」
と伝え、出来るだけ休めるようにすることをお勧めします。
また、交通事故のケガが理由で仕事を休む場合、すぐに解雇することは違法となります。もし、もと通りに働くことが難しいのであれば、代わりの方法がないか考えることも必要になるかもしれません。
さらに上司に当たる方、また直接関係のある取引先の場合にも、「まずは体を治してもらう」ことが先決です。
上司であればその上の上司に相談する、取引先の担当者であれば後任を手配してもらう等、やることは増えてしまいますが「事故で大変なのはわかりますけど何とかしてください」ということは、回復をますます遅らせてしまいます。
家族や親族が交通事故に遭った時
状況にもよりますが、可能であればお見舞いやお手伝いを申し出ることも出来るでしょう。
一つ気をつけたいのは、あなたご自身の生活を過度に犠牲にしないことです。
交通事故の状況によっては、付き添い看護婦や家事ができない場合の家政婦さんの費用も請求できるので、使えるものはフル活用してください。
そして、レシートや領収書は必ず保管しましょう。
多くの方は交通事故に備えて任意保険に加入していると思いますが、事故直後はそれらの対応にも追われてしまいます。「本人でなければだめ」というものも多いのですが、そうでないものは出来るだけ手伝うこともできると思います。
友人、知人が交通事故に遭った場合
事故に遭われた方とどんな関係だったかにもよりますが、ちょっと注意が必要な関係でもあります。
善意で行ったことに対しても
「頼んでいないことをされた」
と恨まれてしまう可能性もゼロではありません。
助けになりたいと思っていることを伝えることは良いと思うのですが、相手が何をしてほしいのか見極める必要があるでしょう。
その人によってしてほしいことは違うことと、「誰にしてほしいか」も、その人が決めることなので、がっかりしないでください。
そしてもう一つ気をつけたい点として
「あれもこれもやって」
となる場合です。
すべて聞いていては、あなたご自身がパンクしてしまいます。
「自分が出来ることはここまで」
と線を引きましょう。
そして、他に助けを求められる人がいるのであれば、一人で全部背負わないようにしてください。
一時の感情に流されることがないように
身近な人が交通事故に遭った場合、まわりの人も冷静ではいられなくなることが多いと思います。
「大変だ!」
「今抱えている仕事をどうしよう」
「何とか助けてあげたい」
いろいろな感情が錯綜しますが、まずは感情を整理しましょう。
①やらなければいけないこと
②自分に出来ること
③しかるべき相手に頼むこと
この分類をしないと、自分も苦しむことになってしまいます。
③には、自分では出来ないものが含まれています。
自分では出来ないものはしかるべき相手に頼むことになりますが、どんな時どんな相手に頼むか、また別の機会にお話しします。