示談交渉と見舞金

示談交渉は弁護士の業務

f:id:care_cafe:20200319075426j:plain
 示談交渉は弁護士の業務であり、行政書士が行うことはできません。
 さて「交通事故の示談交渉が得意です」「示談交渉は何回も経験しています」「ぜひ自分でやりたいです」という方はどれほどいらっしゃるでしょうか?
 いらっしゃったとしても、少数派だと思います。
 ほとんどの方は示談交渉の経験はないと思いますし、事故のことなんて嫌な気持ちになるから思い出したくない、という人も多いと思いでしょう。
 私の場合には弁護士にすべてお願いしたわけですが、ありがたいことに進捗状況等の連絡をしてくださっていたので、何がどうなっているのか、自分でもある程度把握することができました。
 弁護士に依頼するメリット、依頼者がすること、そして注意点についても、書いてみたいと思います。
 

弁護士にお任せしてストレスを軽減

 示談交渉はすべて弁護士にお願いしたので、保険会社からの連絡はすべて弁護士に行くことになりました。
 示談交渉の前には、平日の9時~17時くらいまでの間に保険会社からよく電話がかかってきていたのですが、こちらも仕事中は電話に出られないことがほとんどだったので、困ったなと思ったものです。
 そして仕事の後、保険会社に折り返し電話をするとすでに保険会社の電話対応時間を終了しており「本日の業務は終了しました」のアナウンスが流れてきてしまい、次の日にかけ直すしかありませんでした。
 弁護士に依頼してからは保険会社からの連絡も弁護士に行くわけですから、こちらで対応するものが少なくなったので、ずいぶん楽になりうれしかったです。

依頼者(私)がすること

 そうはいっても、することが何もないわけではなく、弁護士からは「〇〇はどうしますか?」という問い合わせや「◯◯を用意してください」と指示があります。
 当然の話ですが、交通事故証明書、医師の診断書、診療報酬明細書等が必要になったので、できるだけ早めに揃えて弁護士に郵送しました。
 これらの資料が揃わないと弁護士も動けないわけですが、他の業務も抱えている中で全力で動いてくださった弁護士の先生には今でも本当に感謝しています。
 書類の話に戻りますが、お勤めをされている方であれば源泉徴収票等も必要になり、私のように自営業であれば、源泉徴収票の代わりに確定申告書を用意します。
 保険会社との交渉をお願いできたことにより、ストレスを感じることがかなり少なくなったので、行政書士の仕事を再開して元の生活に戻るための助けになりました。
  

注意点

 私のように、刑事訴訟に発展するのは珍しいケースかもしれませんが、刑事告訴されるかどうかにかかわらず、「先に見舞金を払いたい」と言われることもあり、即答はおすすめできません。
 最終的な判断は私がすることですが、決めるにあたっては注意が必要です。
 先に見舞金を払うかに限った話ではありませんが、よくわからないことを聞かれた場合には即答せずに弁護士に相談をする方が良いでしょう。
 加害者側にも弁護士がついていたようで、私の依頼している弁護士に対して「先に見舞金を払いたい」という連絡があったことを聞きました。
 見舞金を受け取るかの判断は人によって色々だと思いますが、ただの「見舞金」になるケースと「損害賠償金の一部」とみなされるケースがあると知っていたので、慎重に決めようと思ったのです。
 まさに私の場合には、表向きは見舞金という言葉を使っているものの、最終的な損壊賠償金からも控除される可能性が高いというのが弁護士の見解でした。
 さらに今回は刑事訴訟だったのですが、見舞金を払うことにより加害者の情状酌量に影響が出てくることがあるという説明も受けました。
 事故のダメージが車や私のケガだけでは済めば事情は変わっていたのかもしれませんが、行政書士の仕事にも影響が出てしまう状況で、お客様にご迷惑をおかけしてしまい私だけの問題ではなくなってしまったため、見舞金をもらうという気持ちにはなれず情状酌量をしようとも思わず、見舞金を受け取らないことに決めたのです。
 示談交渉が進む中では予想外の出来事が起きる可能性もありますので、そういった時にも弁護士のアドバイスを受けたり、対応をお願い出来たので、余計なストレスを抱えずに済みました。