今週のお題「うるう年」
もらい事故は突然に
はじめまして!
ご覧いただきありがとうございます。
女性行政書士をしているcare_cafeと申します。
生まれも育ちも千葉県南部、きれいな自然とおいしい食べ物に囲まれて育ちました。
好きな仕事が出来、プライベートでも信頼のできる友達に恵まれていましたが、そんな私の日常が突然のもらい事故によって変わってしまいました。
思いも寄らないことが、いつ誰にでも起きる可能性があります。
頭ではわかっていたつもりでした。
見聞きするのと経験するのは全く違うのね
また、行政書士という仕事の性質上、大変な思いをされたお客様からお話を伺う機会も多く、その度に心を痛めたり、早く元気になってほしい、と強く願っていました。
でも、自分が当事者になってみてはじめてわかることがあるのですね。
見たり聞いたりするのと、自分が当事者として経験するのでは、感じ方が全く違うんです。はっきり言って冷静に考えるのが難しいんです。
交通事故の中には、どんなに自分が気をつけていても、避けることができないもらい事故があります。
自分が加害者にならないよう、十分に気をつけるのはもちろんのことですが、もし被害者になってしまったらどうすれば良いか、私の体験したことが少しでもヒントになればと思い、このブログをはじめました。
さらに実況検分の時、一緒に立ち会って警察官に説明をして下さった方々、そして現場のガラスを掃除して下さった方々、その場に一緒にいてくだった方のおかげで、自分の心を落ち着けることができたことを考えると、心のケアも早い段階で行うことが必要だ、ということに気がつきました。
実況検分の時、一緒にいてくださった方々には、お名前を聞くことができずに、お礼も言えないのが今も心にひっかかっています。
このブログには、お礼をできなかった方々に対しても、あの時は本当にありがとうございました、という感謝の気持ちも込めています。
前置きが少し長くなってしまいました。
ここから先は、普通では考えることのできない、想像したこともないようなもらい事故についてリアルに書いていきます。
どんな事故だったのかお話しさせてください。
目撃者から被害者になった瞬間
暑さの残る8月のある晩、同じ市内に住んでいる友人宅で夕食をご馳走になりました。
帰宅する頃には外はで真っ暗ですが、楽しい時間とおいしい食事の余韻に浸りながら帰宅する途中の出来事です。
通いなれた道路をいつものとおりに運転し、見通しの良いT時路を左に曲がった時にそれは起きました。
「バーン!」
突然の大きな音にびっくり!
何があったのか見てみると、対向車線では軽自動車にワンボックスカーが追突していました。
ぶつかったワンボックスカーの前はぐちゃっとつぶれていて、軽自動車のほうは後ろがへこんでガラスも割れていました。
こちら側の道路にも、割れたガラスや車の部品らしきものが飛び散っていて、うっかり踏んだら大変なことになりそうです。
この時はまだ、私はただの目撃者、うっかりガラスを踏んで車のタイヤがパンクしたら困る、そのくらいにしか考えていませんでした。
私の後ろには後続車が続いており、バックはできません。さらに迂回できるような道もありません。
どうしようかと考えていると、自分の座っている運転席の隣から「ガリガリ」という不気味な音が聞こえてきしました。
運転席側の窓から見ると、ワンボックスカーがその場から逃げだして、センターラインを越えて私の車にぶつかり、強引に走りぬけて行ったのです。
あまりのことに背筋がゾッとしましたが、そこから逃げる方法はありませんでした。ナンバープレートを見て、かろうじてわかる数字を覚えました。
ワンボックスカーに乗っていた加害者は、壊れた車を運転してその場から逃げてしまい、私は目撃者ではなく被害者になってしまったのです。
「ヤダ!今のなに?」
「あの車、逃げちゃったよ!」
歩行者も多い時間帯で、みんなびっくりして大声を出していましたが、死者や重傷者が出なかったのは不幸中の幸いでした。
本来であれば、この加害者が軽自動車にぶつかった時点で警察を呼ぶべきで、そうしていれば私の車にぶつかってくることはなかったでしょう。
写真は事故の翌朝に撮影したものですが、加害者が私の車にぶつかって擦りながら逃げたために、細かい傷がたくさんついています。
傷だらけになった大切な愛車を見るのも、心が痛みました。
実況検分
やがて警察官が到着して実況検分を行いましたが、自分自身がパニック状態な中で説明をするのは、なかなか大変でした。
真っ暗な中で、懐中電灯をたよりに実況見分が進んでいきます。
警察官は
「ここをぶつけたんですね」
「このあたり、ガラスがすごいですね」
と言いながら粛々と作業をされていました。
「相手の車は?」
と聞かれた時、逃げていってしまったことを話し、その上で
「番号は◯◯△◯か、◯△◯◯」
と話したのですが
「正確な番号がわからないと、こちらも調べるのが難しい」
と言われてしまいました。
軽自動車のドライバーと私の他に、交差点で事故を目撃していた方が数人、その場に残って見たことや車の色や形、中のドライバーがどんな人か証言をしてくれましたが、
「このまま加害者が逃げてしまったらイヤだ、警察の人しっかり捕まえて!」
と、口には出しませんが内心イライラしてしまいました。
パニック状態
しばらくすると
「加害者が事故現場に向かっている」
という連絡が入りました。
この加害者、事故直後はパニックになってその場から逃げ出したものの、時間がたってから
「まずいことをした」
と思い事故現場に戻ろうとしたのだそうです。
加害者に逃げられてしまわなくて良かったという気持ちが半分と、なんでこんなことをしたんだという怒りの気持ちが半分で、気持ちをコントロールさせるのが難しく感じました。
事故の瞬間パニックになるのはある程度理解できますし、そのあと現場に戻るのには勇気が必要だったはずですが、理由はどうであれ「ひき逃げ」です。
最初に追突された軽自動車のドライバーには悪いのですが、
「この加害者のせいで余計に面倒が増えた」
「本来私は関係ないはずなのに」
と自分のことばかりを考えてしまい、自分の心を落ち着けるのにはかなりの時間が必要でした。
その場に残ってくれていた方達のおかげで、なんとかパニックにならずに済んだのだと思います。
「警察が来るまで一緒にいますよ」
「見たことをちゃんと話すからね」
「大丈夫だよ」
と声をかけてくれたことが、うれしかったです。
その後、本当に加害者は現場に戻ってきて謝罪があり、今度は加害者も含めた実況検分が行われましたが、その時にも取り乱すことなく落ち着いて対応することができました。
事故直後のショック状態の中、こういった気遣いはまさに心をケアするものであり、私が落ち着くために必要としていたことでした。
こうして大騒ぎをしながら実況検分が終わり、日付が変わる頃に帰宅しましたが、翌日以降は別の大変さが待っていました。
事故直後のストレスと心のケア
実際のところ、事故翌日から保険会社や自動車修理会社との連絡、病院への通院等、事故にあう前よりも忙しい生活が始まってしまいました。
体は疲れており、出来れば横になって寝たいのですが、そうもいきません。
加えて、いくつかの仕事をキャンセルしたり、延期しなくてはならなくなったために、大切なお客様にもご迷惑をおかけすることになってしまいました。
自分の出来なくなった仕事を、他の方が快く変わってくださったのですが、それも心苦しく思いました。
保険会社や自動車修理会社は、心のケアをする場所ではないわけですから、自分でなんとか落ち込んだ気持ちを建て直していかなくてはいけません。
仕方がないのはわかっているものの、事故のショックに加えて体のあちこちをぶつけて痛みが残る中、さらにやることが増えてしまい、本来の仕事はできなくなっているわけですから、余計にストレスがたまっていきました。
それでも私が恵まれていたのは、仕事の延期や引き継ぎを了承して下さったお客様、仕事を変わってくれた行政書士の仲間達、そして気遣いの電話やメールをくれる友人達がいてくれたことです。
「事故はあとから痛みが出るからしっかり治した方がいいよ」
「変われる仕事は引き受けますよ」
「ほしいものがあったら言ってね」
こういった心遣いが私の心を癒していったのだと思いますが、人によって「してほしいこと」や「かけてほしい言葉」が違うと思います。
その人とどんな繋がりがあったか、相手が自分をどう思っているかにもよりますが、出来ることならその人の気持ちが楽になるような応対をしていきたいものですね。
事故そのものは、決して良い経験とは言えませんが、事故に巻き込まれた時にどんな気持ちになるのか、どんなふうに接してほしいのか、色々なことを学んだと思います。
もちろん事故から時間が過ぎて、車の修理が終わったり、ケガの具合が直ってきたとしても、気持ちの整理がつくまではさらに時間がかかりましたが、それは別の機会に書きたいと思います。